わあ……!有難う御座います、先生。
まあ、こんなものまで……!
先生のお見立てでしたら間違いありませんわ。
これも、これも……
どれもとても興味深いものばかりで……
ああ、いけない。まだパーティーの最中ですものね。
[専門書とレポート、それから分厚い辞典が2冊となると、女の腕にはずしりと重い。
しかしオーレリアは嬉々としてそれらを受け取って、既にレポートの紙面へ本の裏表紙へとちらちら視線を動かしている。その様子は学生時代からなんら変わりない。
しぜんと表紙を開こうと動いては引っ込めてを繰り返す指に、薬を差し出されれば、オーレリアはだいぶん落ち着きを取り戻した。>>39]
ええ、肝に銘じておりますわ。
……いつもすみません、先生。
[こうしてレオナルドに薬を頼むのはもちろん初めてではない。学生の頃からもう何度も繰り返されているやり取りに、オーレリアは僅かに苦く笑う。
面倒や心配を掛けてばかりなのもあの頃から変わらないのだと内心で不甲斐なく思うのだ。]
(56) 2018/12/31(Mon) 11時半頃