【人】 共信の友 はのん

［元々写真を撮るのは好きだったの。
　高校の入学祝いに買ってもらったスマートフォン。
　嬉しくて、ちょっと大人になったみたいで誇らしくて。
　女子高校生らしく、パシャパシャ音を鳴らしてた。
　
　それでも事故の翌日から。
　それは思い出を残すのではなく、
　記録するためのものに変わってしまった。
　過去の私からの引き継ぎデータ。
　そこに感情の色は見られない。

　目が覚めた私は馴染んだスマートフォンを起動して。
　ディスプレイに提示された文字によって、
　今の私の状況と、両親の死を繰り返し知らされる。

　そのまま記録を確認して。
　無理やりこれまでの私を構築していく。
　データを頭に叩き込む。］
　

(28) 2019/02/17(Sun) 12時半頃