[無愛想な会釈に快活な挨拶で返されるのを>>3、これまた仏頂面で黙って頷く。
不調法な態度だとして、けして疎通を拒否している訳ではないのだ。ただ、どう接していいかわからない。特に、女性に対しては。
食堂の入口で六川とすれ違う際、何だか微笑ましい様な視線を落とされた気がして>>0:195、怪訝な目つきを隠さず見上げる。]
…せんせい、また太ったんじゃないの。
[杖を持つ手は、教師の専攻である歴史を教わっていた数年前の、ペンを持つ指より白く柔らかみを帯びて見え、外套に覆われた身体も、何処かしら薄っすらと脂肪のまるみを感じさせる>0:112>>0:113。
先生という呼び掛けは、高認試験に及んで範囲を見て貰っていた頃の名残だ。]
あんまそいつに合わせて食ってるとさ、どんどん丸くなっちゃうんじゃない。
[六川に、まるで母に沿う子供のように連れ立つギリアンに一瞬だけ視線を向けると、入口を潜り抜ける。]*
(29) 2017/04/02(Sun) 13時頃