[杖をコツコツ突きながら廊下を幾ばくか歩いた頃か……こちらに駆け寄ってくる姿を見て>>108私はまた顔を綻ばせた。]
やあ、こんにちは檀さん!
[最初こそ女子生徒の服を着た彼女を見ると己の過ちを思い出しては苦しくてたまらない気持ちになったものだった……いつしか歴史に関することを何度か聞かれるうちにそんな気持ちは薄らいでいったが。]
ええ、その通りです。
構いませんよ、私に答えられることであれば。
[ちらり、と見せてもらった本の背表紙を見て、広大な世界の一体どの辺の時代のことかを記憶を紐解いていく。
もしギリアンが共にいたなら、一声かけて此処で別れただろう。
大昔の血腥い宗教戦争やら王政から民主制に取って代わったことやら……それこそ彼にとって子守唄になってしまうだろうと思って。
いつでもいらして下さい、と檀さんには声をかけ、また廊下を歩き出す。]**
(121) 2017/04/03(Mon) 02時半頃