― 貨物船の甲板にて ―
[非常食、なんて声をかけたのがいけなかったのか。
あがった嬉しそうな声>>0:304に返したのは、隠す気もない舌打ちだった]
鶏がどうした。見ればわかる
非常食じゃなくってそりゃあ今晩のメインだな
[卵を産ませるという発想はあるが、鶏肉を食べたい気持ちが勝る。鶏肉も兎肉も、エルゴットに懐こうが構いはしない。どうせ肉は食べる前に塩水で丁寧に洗われる運命だ。幸い、飲料水でなければ水は売るほどあるのが海上というもの。
また一羽、飛び出てきた兎を捕まえてエルゴットからは離れることにした。
背中に聞こえた「シチューの声に、小さく笑ってこぼすのは、]
食われんなよ、っつったが……
友達だろうがなんだろうが、 あいつは食いそうだな
[死ぬくらいなら。あるいは、殺されるくらいなら。
片手で命を一つ捻りつぶしながら、Redwolf号へと向かう。
早々に見切りをつけた下っ端どもが、囁く噂話にはまだ、興味を持つことはない]
(53) 2019/03/12(Tue) 22時半頃