[それに、そう。
イワコノフさんの告げた“最悪への備え”は、きっと“犯人探し”。わたしが推測をしたように、直接見た彼女が言うように、フォークが犀川さんを切り分けてしまったのなら。次のケーキが食べられる前に、何か手を打たないといけない]
[……ほんとうは、犯人探しになんて興味はない。あの子の香りがもう思い出せないと、ただベッドで嘆いていたい。
けれど“逃避したい”という思いのままに、レールを得た思考が次々進んでいく]
[祭くんは無言だけれど>>110、視線が雄弁にものを語る。
どこか咎めるように、知っていたのかと問うてくるようで、思わず目を伏せた。“直視したくなかったの”と唇が動く]
……わたし、やっぱり。
“直接”は見ない方がいいと思うわ。
[祭くんを気遣うようでいて、その実、半分以上がわたしの願望。
閲覧席の椅子を戻しながら、そんな言葉を呟いた]*
(116) 2017/04/05(Wed) 01時頃