244 原罪の伽藍テーブル
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― 朝・とある廊下 ―
[ふわり、ふわり
穏やかな波に身を寄せるように、白いフードの娘が漂う。
眠っているように閉じていた目がパカリと開いて、きょろり、きょろりと辺りを伺う。
人の気配はないが、どこからか、音は聞こえてきているだろうか。あったとしても耳は傾けず、彼女の意識はしばらくの間、心地のよい浮遊感に夢中だった。
ふわり、ふわり
ふわり、ふわり]
気持ちいいなあ
[昨日までに起こったなにもかも、今は微塵も感じることなく、浮かぶ表情は穏やかな笑みだけ**]
[ふわりふわり、廊下をただよいながら、南の見つめる先は天井]
あ、あんなに汚れてる
[高いところの掃除は、少し苦手。
重たい掃除道具を持ちあげなければならないし、
そうでなければはしごを使って、高いところまで登って行かなければならない。
小柄な南にとってどちらも大変な作業]
今なら、簡単に届くのになあ
[伸ばした指先は天井の中へもぐりこむ。
手招いてみるけど、こちらには来てくれない]
きれいなものが好きなのに
この白い建物がずっときれいなままであったらよかったのに
見回してみても、やっぱりいない、スタッフの人達]
どこに行ったんだろ
[ほうきを取りに行く代わりに、あの人達をさがしてみよう
白いフードが雲のように、廊下へ、外へ、ただよっては消えていく**]
― ?・廊下(の後) ―
[朝。それは南にとって目が覚めた時。ふわふわと頭の中が浮ついて、再びそれに浸りたいと思う時。だからその時は『また朝が来たんだな』と思っていたけど、実際はどうだったか。
その日は目覚まし時計も鳴らなくて、それでも目が覚めたなら、毎朝の日課をこなそうと体を起こす。
だけどその時は頭の芯からしびれるようで、なにか聞こえてきたとしても耳に入ることはなかった。
今が何時なのか、眠る前になにがあったのか、それすらおぼろげで。
考える暇もなく意識を別の所にやってしまった。
ふわふわただよいながら、記憶をたぐりながら、廊下をめぐる**]
[こつんと、扉の鳴る音>>*1が聞こえる。
夜遅くと言えども、ただのノックだ。
別に珍しいことでもなければ、警戒しなければならないことでもない。
此処に閉じ込められているのは、可哀想で惨めで無力な――ケーキたちなのだから。
いつものように返事をして、ノブを捻れば良いはずだ。
そのはず、なのに。
その時は、声を出せずにいた。]
……あの゛。
[決心して開いた扉の先。
其処に居たのは、先程気まずくなって会話を打ち切ってしまった相手だった。
ギリアンが、
初野の望む答えを出さなかったせいで、怒っているのだろうか。
いつも通りのお兄さんの笑顔に、
指の先から心の臓まで、冷え切る。
気持ちの悪い汗が、首を伝って鎖骨へと流れた。]
ぎょう、は、いろんな゛、ごわ゛い゛ごど、あっで、やだ、よね。
ぎりあんも、ごわい゛がら、い゛っじょに、ねよ゛っか。
[いつの間にか止めていた息をゆっくりと吐き出しながら、初野の目を見た。
ああ、何度も見たことのある目だ。
熱の浮かされた獣の目が、ギリアンを捉えている。]
……じゃーね。
はるが、ぎだら、でづだっで。
ほんどう゛に、おやざい゛、う゛え゛る゛の゛。
[何でも叶えてくれる>>*2のなら、あの時の口約束を本当にして欲しい。
ベッドに腰を下ろすと、その重さにスプリングが悲鳴をあげた。
立ったままの初野に、手を伸ばす。
太い指が智秋の髪を持ち上げて、頭蓋を撫で下ろしたら、
ああ、彼の笑顔は最初から偽物だったのだなと
妙に達観して、冷静になれた。]
[逃げよう。
水でも取りに行く振りをして、そっと。
そう思って背中を向けたのがいけなかった。
次の瞬間、鋭い痛み>>*3が走る。
ぐらりと揺れた視界と共に、現れるのは走馬灯。
立っていられなくなって、床に倒れこんだ。
視界が真っ赤に染まる。
首に噛み付いた初野の頭をはたき落とそうと、拳を握って振りかぶった。]
(――ああ、先生のいう神様とか、全然よく分からなかったけど。
隣に寄り添って貰えるだけで、救われていた。
ギリアンの手は、優しい手だって。
庭仕事後のボロボロの手を握ってくれて。
この力は誰かを傷付ける為のものなんかじゃないって言って貰えて、本当に嬉しかったんだ。)
(せんせー…は、大丈夫、かな……)
[結局、殴れなかった。
怖いとか死にたくないとか、そういう感情よりも申し訳なさが勝ってしまう。
握った拳が、力なく床に落ちて、そして二度と動かなかった。**]
― 中庭 ―
[血だまりの中立つ男を見て動きを止める
じっと背中を見つめて、不愉快そうに、目を細める]
なんで、まだここにいるの?
[いつもつまらなそうな顔してるくらいなら、さっさと出ていけばよかったのに。こんなことになる前に。
優しくするほどの価値もないやつらばかりというなら
見回したどこにもスッタフはいなかった。
生きている時は、どこにも行く気なんてなかったから探さなかったけれど、伊島が見つけられないような抜け道だって、彼ならたどり着けるだろうに>
血の跡を見て、『困った』って、
青ざめたり取り乱したり、この人はやっぱりしないんだなあとぼんやり思う]
[ともすれば『まあ、いっか』て、なげやりにもとれる言葉]
食べられ方にこだわりなんてあるの、おかしな人
[誰だって、どんなふうにだって、その人が喜んでくれるならそれでいいと思っていたから。
瑠東が誰に対してそんな感想をつぶやいているのか、そこまで深く考えずに、彼の背だけ見て小さく笑った。あの日捨てたトレイを見るまでは]
それ、捨てたやつなんだよ。だから持ってこないでよ
……相変わらず、いやな人
[手向けのように残された真っ白いトレイ
蹴り揺らされたゴミ袋
赤く塗れた若葉を見て、今さらのように、もう何も伝えられないんだと悔しく思った。
紫色の目を南の方からのぞきに行っても、もうなにも言えないんだな、と今さら**]
― 廊下 ―
[少し前、中庭で血に塗れた若葉を改めて見る前
八重と呉羽を見かけて、つかの間立ち止まる。
犀川の死体を目の当たりにした彼ら
じっとしていられないという気持ちは八重も、もしかしたらワレンチナも同じなんだろうかと、最後に中庭で見かけた姿を思い出す。
犀川を殺した『フォーク』を殺してやりたいと言った呉羽
心は揺れないと言った八重
どちらの言葉に違和感があったかなんて、まっすぐな思考では、一つしか思い至らずに]
けが、しないでね
今走ったら、危ないよ
[届かない忠告だけが残って、彼女の姿を見送って、あきらめたように中庭に目を向ける。
吸い寄せられるように、自然、体はそちらの方に**]
― 中庭 ―
[瑠東の背中を見ている途中ですっと離れて、距離を置く。
触れもしないのに、ぶつからないように、八重に道を譲るように()浮上する。
食べ物にされる人と、される人、どんな違いがあるんだろうと考えながら、トレイの行方を確認するまで二人の話を聞くとはなしに聞いていた*]
[いつでも誰でも、食べ物にされてきてしまったから、わからなくなっていた。
『フォーク』を見つけるなんて、そんな南には最初から無理だったのだ。
なにも知ろうとせず、ゆえになにもつかめず、一人ぼっち。
突きつけられた現実だけをかかえて]
あの人は、なんで私が「ケーキ」ってわかったのかな
[今さらのように考える。もう意味なんてないのに。
こうなってしまっても、なにかできることがあるじゃないかと探すように、考えたい。忘れたいから]
いつまで私はここにいるんだろ
[望めば消えることだってできるんだろう。
普段しない考え事なんてするから、少し疲れてしまった。
自分以外に誰か、消えてしまった命があるなんて知らず、目を閉じた*]
[言葉の裏、ひっくり返してみても、また考えることが増えてしまうだけ。言葉の隙間だってそう]
だけど、あの人は、私が「フォーク」じゃないってことしか言っていない
[隙間を勝手に埋めてしまっても、見ないふりをしても、見つけられないから、それだって意味がないんだろう。
普段聞こえない声に耳をすますことだって、望めば、今なら、できるんだろうかと、考えながら*]
[だれかを殺さなければと思う時、いつも悲しかった。
怒りより、喜びより、なにより、悲しくて、寂しかった。
その時を自分で決めてしまうのが怖かった。
もうこれで終わり。なにもかも。
生きている時だって満足なことができるほど、上手じゃなかったのに。
そんな思いを何度もするのは耐えられない。
どうにもできっこないから、自分より、誰かがそんな思いをするのは、もっとずっと、重たい。
八重がまた去っていく。こんな時でも、いつもの彼女らしく、元気よく
転ばないように、
血の跡を追わないでと言うこともできずに、追いかけるように中庭を離れた*]
― 廊下 ―
[いよいよ、自分は死んでしまったんだなあと、心の中でつぶやきながら、ひきずられた赤いフードを見る。
対峙するワレンチナと、壇と、寄り添うように話しかける八重と、その先の肉叢を、
暗く見つめる。引き裂くように*]
死なないで
もういい
同じ場所に来ないで
あなたがそれでいいなら、それでいい
それがいいから
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