［どうしてこんな事になってしまったのか。
　何かの運が悪かったのか
　それは例えば呪いの宝石のせいなのか
　理由などわからない。

　ただずっと上手くやってきたはずのフェルゼは暴走し
　またハワードも、痛恨のミスを犯してしまった。

　普段ならば決してこんなことはしなかったのに。
　今まで耐えて隠し通してきたのに。

　全てを自分の手で崩してしまった］

　　（美しき人狼達に、幸あれ）


［勝手に呼び起こされて勝手に祈られても迷惑なだけであろうが
　少なくともこの狂った男の本心には間違いなかった］

［心残りが一つある。

　ハワードの行為を止められなかった事。
　何故、船長を喰うに至ってしまったのだろう。
　空腹か、噂のせいで存在が明かされる恐怖か、それとも。

　その理由だって分からない。
　フェルゼがいつも以上に壊れてしまったのと同じように
　仕え続けたあの人狼も、壊れてしまった］

　（ハワードさん。
　　あなたの未来を支える事は、できなかった。
　　申し訳ありません。


　　俺はただ、あなたのその瞳が輝き続ける所を見れるだけで良かったのに。

　　人間の心を失っていくあなたに、人狼の仲間が出来るなら
　　きっと何かを分かち合って、笑ってくれるようになると思ったんです。**）