[白いシャツが影に紛れて闇に溶けたのは一瞬、次に見えた時はその姿は地に伏せていた。]
おい、おい福田!?
[並んだ大机や椅子も邪魔だというように合間を縫って慌てて近寄る。入り口からは暗さと机に紛れてよく見えなかったが、側に寄るほど、小柄な身体に何かが覆いかぶさっているように見える>>30。まさかほんとに不審者…]
おい……っ!
[後輩よりその体躯を引き剥がそうと、肩を力任せに引いて倒せば、呆気ないほど抵抗なくそれは倒れた。人の身体ではない固い音を立てて。向いた此方に、赤い筋繊維を見せて]
………!!!
[それは、なかった筈の人体模型だった。認めた途端喉奥から変な声が出そうになるのを、奥歯を食いしばって耐える。]
ふく…福田、福田、大丈夫か?怪我は?
[呆然と倒れていた福田を振り返る。もしくは江西がもう手を貸していただろうか。]*
(37) 2018/07/22(Sun) 21時半頃