ま、待て!!!
まだ話は・・・やめろ・・・
ぐっ・・・・う、うう
[彼の気配が変わる、肩の後ろに立った切っ先は背中の弾力が空しいほどあっさりと沈んでいく。
押し込まれるほどに激痛が走りそれでも体重を乗せて骨にあたっているのが自分でも感じられた]
こんなことして何になるのよ!
呉羽!!! 呉羽!そこにいるなら助けて!!
いっ!ああぁあああ――っ!!
[助けを求めるのが遅すぎたのか、いや、どの道この状況を覆すなんてそもそも無理だったのだろうか。
身体の筋肉と言う筋肉を硬直させて全身から吹き出る汗と震え、その重たい激痛に身をよじりたくても、右腕は動かせず、届かぬ左手をただ闇雲に動かしてそれを堪えるしかなかった。
ゴリともパキともわからぬ音とブチと裂ける音、そしてさらに深く沈みこんでいく追加の痛みは凄まじく、右肩からの感覚が消えるのと同じくして彼の声を聞くだけの余裕も消えていった。
開放されたとて動けるわけも無く、温かい自分の血に溺れて、ただただ、うめき声をあげていただろう]
(20) 2017/04/09(Sun) 21時半頃