・・・・・何でよ・・・・・・
いくらでも殺せたでしょ・・・・・・
[血を噴出して沈む呉羽、殺させたような最後に沈黙した口はもう開かない。彼は何を望んだのだろう。 檀を食べ私を治療しナイフを渡し。けれど最後まで彼の彼らしい感情は結局闇に消えたまま。
黒く赤く誰のだかわからない広がる血だまりと静寂に怒りも消えて、ただどうしようも無い日々の思い出だけが目に浮かんだ。
食堂で犀川と話していた呉羽の姿、掃除をしていた伊島、書庫で勉強して入れ替わってた日々と廊下を汚していた変人と伝道士と従者のような大男、増えていった新しい共遇者達。
二人の亡骸はまるで私だけを置いていくように、生への渇望を虚しいものに変えていく。]
さよなら・・・
食欲を失った今が、一番人間らしかったよ。
[大きく溜息をついて、自分の意識も少しずつ薄れていく。ある種の諦めが死を受け入れて、意識を手放した*]
(138) noblesse oblige 2017/04/14(Fri) 22時半頃