244 原罪の伽藍テーブル
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[もちろん、ギリアンだってお腹が空くのを悪いことなんて思っていないだろう。 談話室で「我々は家畜じゃない」とワレンチナさんは言ったけれど、私だってすすんでハムやらベーコンになりたかったわけじゃないし……喰われることで「何か」になろうとしたわけじゃない。
私は、彼らがもし苦しみの中にいるのなら「共にある者」になりたかった。それだけだ。
彼を死に至らしめたものだけじゃなく、顔に走る数多の傷の数だけギリアンは痛みを知っている。 家族につけられた傷も全部身体に刻み込んでなお母を恋しがって泣く、純粋無垢な優しい子だ。 力だって私の何倍も何倍も強いから、もし抵抗していたら智秋は私を食べるどころじゃなかったのではないか。]
いたかったですね……怖かったでしょうね。
[腕が許す限り、大きな身体を掻き抱いて。]
(34) ヨキ 2017/04/12(Wed) 15時半頃
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……そうですね。死ななかったら、もっとたくさんのことができました。
朝起きたら、一緒にゴジアオイを植えて もっとたくさんお話をしたり、色んなことができたはずです。
きっとギリアンは、呉羽さんみたいにかっこよくて大きな人になれたでしょう。 私だって、……。
[突然断ち切られた日常の先にはたくさんのイフがあった。 先を紡ぐことを許されなかった……それは確かに理不尽なことだ。
だけれど、イフの先で、私は何になれたんだろう。 すっぱりと無くなった腕の先は、智秋の中にある。 私は望んでこうなったし、私は今とても満ち足りている。]
(35) ヨキ 2017/04/12(Wed) 15時半頃
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[言葉の先はなかなか口の中から出て行こうとしなくって、私は誤魔化すみたいにギリアンの額にもう一度キスをした。]
確かに非道いことですね……お腹が空くのは悪いことじゃなくっても。 ……だから、許すか許さないか、それはギリアンが決めることです。
[どの選択を取ったとて、見捨てるわけがない。 僅かな腕に取り縋って悲しげな声を出すのを聞いて、私はほんの少し笑った。]
私がギリアンを置いていくと本当に思うのですか!
[さっき言われたことをそのまま言い返すようでなんだかあべこべなのがひどくおかしい。]
(36) ヨキ 2017/04/12(Wed) 15時半頃
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[私は「ケーキ」である。 考える「ケーキ」である。 思考し、慈しみ、憎み、渇望し、夢を見る。
けれどその向こうで「フォーク」もまた考えている。 同じく人の肉に魂を宿し、人の言葉を交わすことができる。
ただそれだけのことだ。 許すことも憎み武器を取ることも必然ではない。
けれど、ギリアンがどの選択を取ろうと、智秋があの後どう生きようと、私はどちらも捨て去るつもりはない。どこまでもついていこう……そう、ギリアンに頬を寄せながら考える。]*
(37) ヨキ 2017/04/12(Wed) 15時半頃
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[ふとギリアンを撫でながら、天を仰いだ。 何の気は無しに、燦々と照る陽にまたほんの少し溶け込んでいこうとしただけ。
けれど私は屋上に智秋の姿を見止めて>>68私は一瞬身を固く竦ませた。]
……あ、
[彼はいつもと変わらない様子に見えた。けれど、恐らくギリアンが私を発見した時に感じたのと同じように、彼が此岸に来てしまったのを感じ取る。 あいたくなかった、と音を成さない呟きが漏れる。 こちらに来てどれほど時間がたったか分からないが、天寿を全うして来るには聊か早すぎはしないか。
これからの人生に如何なる苦しみに遭おうともあなたの内に、と言った。けれどそれは彼の苦しみや死を願う言葉ではなかったはずだ。]
(83) ヨキ 2017/04/13(Thu) 16時半頃
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[だけれど、きっと「あいたくない」なんて嘘なのだ。 好きな人が死んでしまったのが悲しすぎただけ。 ずっと一緒にいられると思った人と一瞬離れて、それからもっと近くに来ただけ。
その証拠に、すっぱり無くなった右手は今なお戻らないままだ。
一緒に野菜を植えるのが叶わないなら……高く空へと昇ってしまって地を潤す雨になろうか。 天から降り注ぐ数多の雨粒になって、たくさんの命の糧になれたら素敵かもしれない。 朽ちた肉でも新たな命が育まれるなら幸せだ……種を蒔けるような者が、どれほどこの施設で生き残っているやら分からないが。]
やあ、あなたを置いて何処かに行ってしまうとお思いですか。
[もう一度、今度はギリアンに向けてではなく、屋上に向かって声をかけた。]
(84) ヨキ 2017/04/13(Thu) 16時半頃
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[こちらに来るのは何時だって気が向いた時で構わない。 私の答えなんか問うまでもない。
腕の中のギリアンは、智秋は、果たしてどう答えるだろうか。]**
(85) ヨキ 2017/04/13(Thu) 16時半頃
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[私の腕はいつだってこの大きな身体を抱き締め切れたためしなんかない。 肉のついて真っ白な肌が嫌いで仕方が無かったのに、その腕を受け止めてくれた人がいた。 生クリームみたい、と表現された時、私は初めて私の手が好きになった。
右手はもう、二の腕くらいまでが消えかかっている。]
ほんの少しだっていい。 私はギリアンが誰かを嫌いになったり、憎んでいる方が悲しいのです。
[ほんのすこし、と何度も念を押すのが妙におかしくて私はつい口元を緩ませる。]
(130) ヨキ 2017/04/14(Fri) 17時頃
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[腕の中の身体は体温なんてとうに失っているのに、するりと離れていくとほんの少し物足りない。
ギリアンが口にせずに秘めていてくれたことは、きっと昨日までの私なら受け止められなかったもの。 目の前の身体は、私が思っていたよりずっとずっと大きく立派だった。 ずっとこうして私は守られていたのだ……本当に、寂しさなんかどこにもなかったのかもしれない。]
ええ、みんないつか帰ってくるでしょう。 違う形になったって、いつかは廻り合えるでしょう。
[行こう、と誘う言葉に力強く頷いて。 今までになく逞しいギリアンの背中を見たまま私は……
……また、動けなくなった。]
(131) ヨキ 2017/04/14(Fri) 17時頃
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……あ、?
[じわりと透明なインクが染みてしまったかのような右の手だけじゃない、
膨らみを持った乳房が 軽やかに動けぬ両足が 持つべきものを失った足の付け根が
どんどん、音もなく、しかし急速に、まるで空気の中に溶け込むみたいに消えていく。]
あ、……っ!
[その間にも、どんどんギリアンの背中は遠く……やがて、中庭から完全に消えてしまった。 もう、私自身にもどこまで消えてしまったかは分からない。それでも私は考える。]
(132) ヨキ 2017/04/14(Fri) 17時頃
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[姿が見えなくても、言葉が届かなくても、遠回りをしていても、行きつく場所は一つ。 ケーキもフォークも関係ない場所で、形が変わってしまっても、いつかまた巡り合える。
足元に倒れたパンジーの花を、消えゆく視界の中に収めて……私の意識もまた空へと溶けていった。
私は、ちっとも寂しくはなかった。]**
(133) ヨキ 2017/04/14(Fri) 17時半頃
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