人狼議事


244 原罪の伽藍テーブル

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な、なにしようとしてるの、あの人


[瑠東の足の動きを呆然と見つめる()。声が震え、瞳にくすぶっていた炎がゆらめく]


やめてよ!


[叫んでもきっと届かない。生きていたって死んでいたって、自分にはなにひとつできることなんてなかった*]


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[中庭は、記憶にあるより随分と荒れていた。

植え替えたばかりの花には汚らしい赤色が覆い被さっていて、
割れた鉢が無残に転がっている。

そして嫌でも目に入ってしまうのが、
その鉢に寄り添うように横たわる人物。]

せんぜい゛、
……あ゛い゛たくな゛かっだ。

[ぽろりと、言葉が溢れる。
こんな事を言う日が来るなんて考えつきもしなかった。

ギリアンは、自分が死んでしまったことさえ認識していない。
それでも此処に先生が居て良いはずがないと知っていた。

顔を両手で覆って、一歩後退る。
六川の姿を直視したくない。**]


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 “フォークでも、ないくせに”


[それは、奇妙なほどにはっきりした断定だったけれど――わたしはその瞬間、不思議には思わなかった。だってここはケーキの場所。今その前提が崩れようとしていても、甘い香りが常に漂う、ケーキのための場所]

[“五体の損なわないものも疑え
 そんな言葉が交わされていたことをもしも知っていれば、違和感を抱く事も出来たのだろうか。わたしはあのとき、痕が残る傷はひとつも負わなかったし、そのことはスタッフさんも知っていた。身体を隠したことはなく、夏服だって普通に着ていた]

[わたしは、疑われてしかるべきだった。
 呉羽さんが、疑心暗鬼のさなかに在ったのならば]


[次に問われたのは、わたしの味
 ――求められているのはきっと、藤也くんが伝聞としてわたしに告げたみたいな答え。フォークでなければ知り得ない感覚の話]

[見上げた黒曜に、冗談のやわらかい気配なんてひとつもなくて、けれど呉羽さんは確かに、淡くとも――笑んでいる]


 ……ああ……


[このひとは、フォークだ。
 演技の可能性なんて考えもせずに、わたしはそう確信する]


[わたしと違う、フォーク。
 きっと、犀川さんを食べたひと、もしくは“犯人”を知っているひと。
 わたしが見つけ出そうとしていたひと。
 ――わたしが、あの子を追憶する時間を損なった、その原因に携わっているひと]


 ……どうして。
 どうして、始めてしまったの。


[じわりと――情報が頭に染み入る中、回答を押し退けて、別の言葉が出て来てしまう。震えはなく、声は硬い。けれど、胸の内で渦を巻きだした感情が、どういうかたちを持っているのか、わたし自身が判らない。
 縋るように伸ばした両の指先は、片側に鋏を、その刃を向けたまま。
 傷つけるには弱く、掴むには邪魔になる、どっちつかずの状態は、わたしの心を模っている]


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 どうして、呉羽さん。


[わたしの手から鋏を奪うのは、呉羽さんにとってすれば、きっと他愛もないこと。体格差を埋めるものなんて、何も持ち合わせていない。
 それでも警戒はできなかった。
 どうすればいいのか、なんて、いま考えられない、考えていられない]



[――呉羽さんの喉元で、淡く、杏仁の香り]*
 


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[動きを止める時はすばやく、あとはなぶるように、じわじわと進んでいく会話を目の当たりにしながら、早く終われと願う。ワレンチナが呉羽の名前を呼ぶまで、離れることもできずに聞いていた。

悲鳴を聞いてすぐに駆けつけようとするワレンチナは、誰よりも敵意を持って『フォーク』を探しているように思えた
そうでなければ、瑠東が、刃物をちらつかせてまで彼女を止めようとする行為が理解できない。
ワレンチナの無事をとりあえず確認したなら、興味の先はさきほど聞こえた悲鳴の先に

フォークと話したいと言っていた瑠東
中庭での会話を聞いていた時、八重も確か、そんなようなことを言っていた
瑠東のように明確に、どうするかなんて決められないけれど、南もフォークの話を聞いてみたいと思った。

それに、あの口ぶりからして()、悲鳴の主がケーキなら、瑠東は見殺しにするんじゃないかといういやな予感もあったから]


― ギリアンの部屋の前 ―

[瑠東より早く移動して、あふれた赤い川の先へたどり着く

部屋の主とは違う声が複数。
耳をすましてみた。
中から聞こえるのが八重()と、いつももの静かに、一人でいることが多かったように思う人物の声で()、少し意外に思った。
とはいえ、二人の間に殺し合いに発展しそうなほどのもめごとが起きているとはその時思えず、部屋には入らず離れた位置で、外から様子を伺ってから、その場を離れた。

どこへ行こうか、特に目的はなく、ふわふわとあたりをただう**]


[地面に伏しながら、ここで起きた騒動のことを考えてみた。
犀川さんが亡くなって、それからギリアンが智秋に食べられていたのが分かってそれから……智秋は果たしてその先腹を空かせることはないのだろうか。
というか、彼は犀川さんとギリアンと私との大の大人を立て続けに食べたのだろうか。若いって素晴らしい。

それとも……本当はもっとたくさんのフォークがいて、まだ殺戮は終わっていない、とか。

覚えているのは、勉強を教えていた時の檀さん。
私を襲った「フォーク」の少女をどうしたも連想してしまうから、失敬を承知でその目をじっと覗き込んだ。
……あの子とは違う目だった。理性に研ぎ澄まされ、自ら凶刃を振るうようなことはしない……少なくとも私はそう思った。

そして……あの時談話室では言及せずとも、六嶋くんもまたとても繊細な心を持った子だ。
つっけんどんに見えるけれど、ほっぺたをつついても怒らないし、振り払いもしない。
その芽吹いたばかりの蕾のような柔らかな心根が、この血腥い事件で傷付くことがなければいい。

……いや、傷付いていい者などいない。
フォークであれ、ケーキであれ。
私にとっては皆等しく愛しいのだから。]


[だが私の耳に、一番会いたかった人の声が聞こえる。
足なんか失くしたはずなのに、後退する足が砂利を踏みしめる音も聞こえてきそう。]


私は、会いたくて会いたくて……仕方なかった。


[地面に伏したままそっと呟いた。なんだか聞いたことも無いほど苦しそうな声をしていると思った。私が顔を上げたらきっとギリアンは逃げてしまいやしないか……それが怖い一方、もしギリアンが私から離れていくなら悲しくとも受け入れるべきじゃないかとも思う。]


私は、あなたが思ってるほど大人じゃない。
寂しくて寂しくていてもたってもいられなかった。

……嫌いになっても、いいんですよ。
がっかりして、カッコ悪いって言ってくれても。


[例え嫌いだと、幻滅したと言われたって……いやそんな事言われたら、せっかく身を焼く寂しさから解放されたとてまた元に戻ってしまうかもしれないけれど。

それでも私があなたを心から愛していたということに変わりはないのだから。

傍にあるだけで私はどれほど救われたろう。
泥とまめだらけの大きな手で何度も私を導いてくれた。
その優しい手を、私は消えてしまったって忘れることは無い。]*



 ……分かりません、わたし、には


[愉悦の滲む声>>*0に、否を唱える]


 “ケーキ”は、甘くておいしいもので
 愛していたから、誰にもやりたくなくて


[それだけならば、よく分かること。気付いてしまいそうな犀川さんを、おいしそうな犀川さん>>*1を、食べて――独り占めしてしまうのは、何の不思議もないこと]



 ――でも。
 わたしは、ここで止まってしまいたかった
 どこへも行きたくないから、ここにいたのよ


[偲ぶだけのつもりだった。
 藤也くんにしたようなことは、みんな、夢想で終えるつもりだった。
 それは、わたしがケーキでもあるが故に望み得た、別の答えだったのかもしれないけれど。そうでなければ、そのつもりがなければ、ケーキばかりで閉じられたここに来ることなんてなかった]

[我慢を、我慢だと思うことがなかったから、わたしはここに来たのに]



 どうして、呉羽さんは、ここに――、ッ


[来てしまったの、とは、言えなかった。
 掴まれた手首>>*2の軋む感触に、わたしの言葉は途絶え、鋏が床へと落ちていく。かしっと、床の傷つく音。体温を分かち合える距離で、呉羽さんの頭はわたしの首筋に預けられ、暖かく湿った感触が触れてくる]


[肌を震わす感覚は、きっと、情交にもあるのでしょう。
 でもわたしは、藤也くんに同じことをしていて――その、先は]



 っ、あ、ぅ……!!


[鋭い痛みに身体が跳ねた。
 呉羽さんの歯、だと思う、硬いものが食い込む度に、傷口は熱くなり、肩口をしどどに濡らすものが何であるか分からなくなって――あるところを境に、身体が指先から冷えていく。布越しのはずなのに、呉羽さんの身体がひどく熱い]

[――生命の、失われる気配]


[何を呼ぶ声も、音にはならなかった。
 あの子はもういない。
 嬉しいことも怖いことも、分かち合っていたい掌には、もう届かない]

[呉羽さんの掌を振り解こうと、無闇に暴れることはなく。でも痛みからは逃げたくて、身を捩り、背に回った片腕へ身体を押しつけ、掴まれていない片手で呉羽さんの服を握る。力を込めた。
 手先の感覚が薄れ、自然と、緩んでくるまでは]


[――わたしは泣くことも、怒ることも、笑いかけることもできずに。
 面に少しばかりの苦痛を映して――真っ白な闇が、全てを覆う]*


[謝罪の言葉を最後に
離れていく気配。

建物の中は、存外、音が響きやすいようで
幽体は、存外、整然あまり変わらない五感を持つようで
いくつかの、悲鳴にも似た音に
ぱちり 二つの瞳を露わに。]


  おわり、


[廊下をふわり、漂いながら
呟く声は、ずしり重たく。]


おしまい。


[ぽつり、]


――――つまんない


[*ぽつり*]


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― 屋上 ―

[建物の切っ先でひざを抱えて景色をながめる。陽気に足をパタパタさせてみる。
体温を感じない指先では、風が吹いても春のにおいさえ感じ取れない。それでも、昼でも夜でも、月が出ていたならと思ってここへ出てみた。

犀川の死体がまだあるかはわからないが、壇が殺したのではないとしたら、フォークは複数いることになる。だけど『仲間』を全員見つけたとして、いまだ助けが来ないここからどうやって逃げたらいいのかと、生きている者へ考えを向ける。

すでにもうたくさんの死体が出た。

監禁されていたあの日を思い出す。
どんなに強い人も、終わりのない地獄にずっといたなら狂ってしまうんじゃないか。
目的もなにもかも、わからなくなって、ただただ本当の殺し合いが続いていく。
あの男に出会っていなければとっくに、南はそこで生を放棄していただろう。

木々の格子が並ぶこの場所から、どうやって抜け出せばいい?
その先にある景色がどんなに見えても、手は届かない**]


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[そういえば
車椅子の彼女の、こんなにも荒げられた声は、珍しいかもしれない
赤衣には
どれも、やはり、音でしかないのだけども。
じぃっと、崩れ落ちた身体を見下ろして。]


[頬を抓ってみる。
掻いてみる。
首の、 カッターナイフで切られた筈の個所を、撫でてみる。
綺麗な肌。綺麗な身体。
ここへ来てから
一日たりとも、傷が絶える日は、無かったというのに
。]


いーなぁ。

良い、なぁ。


[広がる赤色へ
少しばかり、頬を膨らませた。]


[刹那、目が合った―――。
怯える目と、揶揄を含んだ目]

 ……あ、

[死ぬかもしれない、そう思った瞬間、首が急激に熱を帯びた。刺されたのだ、と気づいた時には、もう声が出なかった。
真っ赤に染まった六嶋の顔を見て、最期に笑えたかはわからない。

(すごいな、六嶋くん

   食べないのに殺すんだね

      食べないのに。  君は俺を食べないのに)

視界が真っ黒に染まっても、その叫び声は聞こえていた。
身体に穴が開いていくのが愉快で、笑う前兆のように腹が震えたけれど、それはただの痙攣だったかもしれない]


[六嶋が鋏を持っていることも知らず、八重の顔に垂れる血が、どうなっているのかも知らず、今頃医務室へ行っていてくれたらいいのにと思いながら

ずっと木々の先を見つめてもいられないと、もう少し月を探してから、ギリアンの部屋を通りかかってみようと思う。
もう少し、もう少し
そう思いながら、今はまだ腰は上げず*]


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[声が出ていたら、きっと笑っていただろう。
そしてそれは六嶋をさらに怯えさせ、より智秋の死様を無残なものに仕立て上げただろうが――]

 は、 はは、 あははははは!!

[その声を聞くことが出来たのは死者だけだった。
血まみれの部屋。
三人分の血液は一度に流れるには多すぎ、
その中で笑い続ける魂は、誰の目から見ても狂っていた]

 は、  痛い、  痛いよ、  っふ、 あは

[死とは何をさすものか。
意識の途切れか、心臓の停止か。
その場に青い笑い声が満ちたのは、六嶋が、流した血が冷えていくのを感じていた頃合いだけれども、 その身を苛むのは、首の、背の、肩の―――あらゆる場所の痛み]


 ふ、 ふふ  痛いなー、 ……あれ?

[散々笑い転げた後、やがて部屋に現れた八重の姿を認め、次に六嶋の傍にある無残な死体を認め、]

 あー………?  殺されちゃったね、俺

[痛みにのたうち回りながら笑っていたのが嘘のように、
けろっとした表情で自らの死体に触れてみた。
フォークの死体なんて、いくら見てもちっとも美味しそうじゃない。だから食べてもらえたないもかもしれない、そう、考えた]


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 あー 酷いな
 ……いや酷くないか
 大事にされても驚きだしね

[突き飛ばされた自分の身体を見て、
智秋は面白そうに笑い、六嶋が出るより先に、久々にこの部屋を出ようと廊下に顔を出した]

 あっれ、

[玲の姿に瞬きをして、廊下に続く赤い川を見た。
これは酷い。隠すつもりが欠片もないし、春を待つつもりがあったのかも疑わしい。
腹を撫でても、そこは食べ過ぎた時のように膨らんではいない。
もう、此処には一人しかいない。
一人分の存在は希薄で、ほとんど気のせいと言っても良かった]


[ふと振り返ったその先で、
八重が重そうに智秋の身体を運んでいた。

死体は重い。ましてやフォークの死体だ。欠けた部分なんてなくて、流れた血液と21円分の重さしか損なわれていない]

 なに、 ……はは、 なにそれ

[それだけじゃなかった。
欠片を、食べ残しを、どんなに汚れても(もう汚れていたけれど)気にせずに八重は一つずつ拾いあげていく。
やがて欠片は寝台の上に。三人は寄り添っていた。
きっとそれは、特にギリアンには嬉しくないことかもしれないけれど(それに見た目はより酷いことになっていた)不思議とかなしくなって、けれど感情は笑いでしか外に出ることはない]


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