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[此方を窺う、犀川の顔を見る。精神の不安定から来る胃の荒れや、つい噛み締めたり爪で掻いたりする癖やのせいだろう、その薄い唇は荒れていて、隆起した中央や口角は些か皮も捲れ、今も僅かに血が滲んでいるようだった。
ぎょろりとした目が、常に大きく開かれているのに案外乾かないらしい、常在の涙でつやつやとした目が、此方を見ている。
見慣れた顔、此方を案ずるその顔を見て、思う。ああ、
おいしそうだなあ。]
[刻々と温度を失っていく液体が、喉を滑り落ちる。不味い、――とも思わない。それは、ただ、無味だった。何の味も、其処には存在しなかった。目の前の皿に並ぶ肉も魚も野菜も果物も、みな、同じだった。全てが同じ味だった。全てが同じ、無味だった。
おいしそうだなあ。
犀川がミルクを口に運ぶ。男と同じように。少量の食事を、少しずつ、少しずつ、食べていく。細く長い指が、骨の形がはっきりとわかる痩せた指が、動かされる。唇が開閉する。喉元が蠢く。食欲不振な彼は、それでも何処か美味しそうに食べているように見える。調子が良い時は、良い方の時は、彼もそのように見えるのだ。そのように、食事を美味しそうになど、するのだ。その姿を眺める。それとなく見つめる。美味しそうな様子の彼を。美味しそうな彼を。美味しそうな。
おいしそう、だなあ。
…… *]
![]() | 【人】 修道士 ムパムピス
(12) 2017/04/02(Sun) 03時頃 |
![]() | 【人】 修道士 ムパムピスー 食堂の入口にて ー (33) 2017/04/02(Sun) 15時頃 |
![]() | 【人】 修道士 ムパムピス
(35) 2017/04/02(Sun) 15時半頃 |
![]() | 【人】 修道士 ムパムピス
(49) 2017/04/02(Sun) 21時頃 |
おなか、すいたなー
[とん、とん、とん、階段を下りる。
味のしないものを食べることに慣れないまま、智秋が此処にきてもう1年が経つ。
かつての恋人は言った。
「好きだから食べたいんだ」
「好きだから美味しいんだ」
智秋は笑って、「そんなの嘘だよ」と言った。
いくら好きでも美味しくなかった。
食べて、というから食べてみたけど、
不味くもないし、ただ味がしなかった]
[羨ましかった。
フォークでもないくせに、美味しいと言って人を食べるのが。
本当はその時自覚はなかったのだけれど、いつからか智秋の記憶の中ではそうなっている。
本当は、目覚めたのは―――
彼をほんの少し齧ってみてから、今まで美味しかったものの味がわからなくなったのだ。
ただの異常性愛者だった彼は「フォーク」と呼ばれた。
皆に「ケーキ」と呼ばれる智秋は、飢えを隠して自分を騙している。
「普通」を装っている]
おなか、すいたなー
[とん、とん、とん、と階段を下りていく]
[気配とそれと、 場所にそぐわぬ甘い匂いに
智秋の機嫌は上向いて、空っぽの胃はぐうと鳴いた]
[相変わらず、
いい匂いをさせて、
困るなあ]
[食堂を出る前。
傷だらけの舌が、ちろりフォークを撫でる。
一度だけ、元作家と
「フォーク」へと、ちらり、視線を送って。]
[揺らぎ気味の瞳は、真っすぐに
にぃ、と、 わらった。]
![]() | 【人】 修道士 ムパムピス[ギリアンが「仲良しに見える」と言われて喜んだように、話を聞きたい>>60と何度も言われて私も嬉しい。流石にテーブルは揺らさないが、顔を真っ赤にして脂下がった顔をする。] (70) 2017/04/02(Sun) 23時頃 |
[去り際、向けられる視線。
笑いを作る瞳。
それらを見送る目に過ぎったのは、犀川をじっと見つめていた刹那と通じる色だ。他の誰も気付きはしないだろうもの、
他の誰も気付いてはいない。
男の、また「彼」の、存在には。
まだ気付いてはいないのだ]
![]() | 【人】 修道士 ムパムピスー 女学院にいた頃の話 ー (94) 2017/04/03(Mon) 00時半頃 |
![]() | 【人】 修道士 ムパムピス[ある日彼女は打ち明けた。 (95) 2017/04/03(Mon) 00時半頃 |
![]() | 【人】 修道士 ムパムピス[放課後はそうしてただ何時間も口を合わせて過ごした。それ以上の触れ合いは必要では無かった。 (96) 2017/04/03(Mon) 00時半頃 |
![]() | 【人】 修道士 ムパムピス[結果、私は今「何にもなれない者」になってしまった。 (97) 2017/04/03(Mon) 00時半頃 |
[その望みが叶えばいい。
そう思うのは、紛れもなく、事実だ。ケーキを喰らうフォークの宴、足を潰された元女軍人、陰惨を絶望を経てなお消えぬ強い意志、高熱の炎のようなそれを以て、血に彩られながら復讐を果たす――
ああ、それは、とても胸躍る、
とても美しい、復讐譚じゃないか。
……
それが失敗に終わったとしても。
たとえば彼女の悲惨な死で終わるとしても。
それだって、美しい、素晴らしい、
残虐劇だとは、思うけれど]
……、
[彼女は復讐の事を誰にでも話しているわけではない。むしろ男は特別に教えられた、立場らしい。
よりによって、復讐すべき相手の同類を選んだ、選んでしまった、彼女の誤謬を思うと、それはあるいは喜劇めいているようで、今でもたまに少し笑いそうになってしまうのだ。
無論それを本当に漏らしてしまう事はない。ただ神妙に彼女の相談相手つなるばかりなのだ、今日も]
[いつだって
歪む口唇が語るのは、事実ばかりだ。
嘘を吐けるほど
正常を残しているわけではない。
事実だ。真実だ。
どれも、これも。]
[風に紛れた小さなそれも
“だいすきですよ”
“「フォーク」って存在が”
[いつか
誰かの前で零した言葉も。*]
![]() | 【人】 修道士 ムパムピス[杖をコツコツ突きながら廊下を幾ばくか歩いた頃か……こちらに駆け寄ってくる姿を見て>>108私はまた顔を綻ばせた。] (121) 2017/04/03(Mon) 02時半頃 |
[くちゅり くちゅり
粘着質な音を立て、咥内をかき回す。
口唇を開けば、その隙間から
真っ赤に汚れたフォークが顔を覗かせて。*]
[食事は苦手だった。
味がしないものを飲み込むのは不自然なことで、
それを人前で上手くこなせる経験も演技力も足りなかったから]
……いちごジャム、みたいな
[甘い匂い。
果物を煮詰めて、香りを強くしたような、濃い匂い。
それが彼の血の香りで、
彼を目の前にすると、味のしないパンも、かつてジャムを塗って食べた時みたいな勘違いを起こすから。
食堂で会うには、最良の人だった]
いちご、じゃむ
いりますか?
[職員さんは厨房の中
食堂には二人きり。
真っ赤なフォークを差し出してみることも、少なくはなかった。
それをするのは
自分たち以外、誰もいないときに限るけども。]
― Page XX ―
有り体に言えば、勘というもので。
一目惚れとはこんな感覚なんだろうなぁ、なんて。
逆上せたような頭が考えていたのを覚えている。
他の誰も気づいていない。
まだ、気づいてはいない。
「たべないんですか、ケーキ。」
「おいしいですか。」
施設に来て、数か月も経たない頃。
そう、声をかけたことだって
他の誰も、知らないこと。*
うん、 ……やっぱり、まずいよこれ
[パンを指さし、その手を伸ばして真っ赤に濡れたフォークを受け取った。
その手は少し震えていて、本当はジャムさながらパンに塗りつけようかと思ったのに(そうすればパンも美味しく食べられるから)待ちきれない、というように舌を伸ばして]
……ん、 ふふ
[とびっきり美味しいものを食べた時、思わず笑ってしまうように。
はりつけたものではない笑みを満面に浮かべて、フォークに絡みついた血を舐めとった]
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