266 十二人の( )こどもたち村【R15】
情報
プロローグ
1日目
2日目
3日目
4日目
エピローグ
終了
/ 最新
1
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
|
─ 院内廊下 ─
[ 誰の真似?と問われたことで、>>345 少年の思考は一度停止した。 なにせ、予想外の質問であった。 ]
誰って? う〜ん誰だろ?
[ 参考にしている人物でも答えれば良いのか。 しかしそれは空想上の人物であったり 名前も、顔すら覚えていないクラスメイトであったり 恐らくはそんな、雑多なものだった。 ]
(17) 2019/02/19(Tue) 01時半頃
|
|
[ もちろん、それらの中に少年は居ない。 少年が居るのは、少年の中でしかない。
そう、確かに胸の中に自分は居る。 宝物のそれは、まだ暗闇の中だけど。
大切なものをそっと撫でるように、 心臓を付近の血管中の血液でなぞるような 幸福感が少年の腹の底を温めた。 ]
(18) 2019/02/19(Tue) 01時半頃
|
|
[ 小馬鹿にするような笑みも、少年は気にしなかった。 赤の他人の悪意はどうでも良く、 赤の他人の善意は心地いものだと 少年は考えていたからだ。 ]
も〜ジョーダンきついよレンくん〜
地下かあ、じめじめしてたらヤダっ キノコ生えちゃってそうっ
[ 歩き出したレンを少年は数歩追った。 たったそれだけの捨て台詞>>1:347が 変わらず愉快そうにする少年の鼓膜を揺らし、 ]
(19) 2019/02/19(Tue) 01時半頃
|
|
[ ── タイマーが鳴ったので、
少年の表情は削げ落とされた。 ]*
(20) 2019/02/19(Tue) 01時半頃
|
|
─ 院内廊下 ─
[ きょろきょろとしきりに周囲を見渡しながら 怯えたように猫背の少年はあるく。
不安の種を探すように左右を見ているが、 生憎後ろ方向を見返すことはしていなかった為 少年はその掌>>48に飛び上がった。 ]
ひいッ!! ああうあごめんなさいごめんなさいごめ──
[ 恐ろしいものを見ないよう頑なに瞼を閉じ 身体の前を腕で守るようにしている。
少女のあっけらかんとした声が耳に入ると>>49 少年はそっと、薄く目を開けた。 ]
(133) 2019/02/19(Tue) 21時頃
|
|
[ は、はあ、と細く震えた息が零れる。 安堵したように胸を押さえては、 自身の両手を頻りに握り合うようにした。
それは、少女と最低限の距離を置くための 壁を作るためにも思える。 ]
ああ、えと、は、はじめ、まして
た、多目的室……? あ、あ、えっと、そうだな、 たしか、下……地下にあったと、思う、
(134) 2019/02/19(Tue) 21時頃
|
|
[ 瞳は少女を見たり、床を眺めたりと落ち着きがなく にこやかな少女がまるで殺人鬼だとでも 言うかのように怯え切った振る舞いだった。
何度か口を魚のように開け閉めした後、 少年は言葉を発する。 ]
え、と……あなたも、さ、参加者ですか?
[ それだけ言うと、一生分の勇気を使い切った とでも言うように胸を撫で下ろした。 ]*
(135) 2019/02/19(Tue) 21時頃
|
|
─ 少年Wは真実に気づく ─
[ 少年は母親が好きだった。
稼ぐ為夜の街に身を置いた母親だったが かといって殴られたことなど一度も無い。 貧しいながらも健気な生活を送っていた。
運動会へ息を切らして駆けつけてくれたこと。 熱を出せば傍で頭を撫でてくれたこと。 温かな思い出だって、簡単に思い浮かぶ。
少年は母親の期待に応えるように 勉学にのめり込むようになった。 それが当たり前だと信じていた。 ]
(143) 2019/02/19(Tue) 22時半頃
|
|
[ 良い成績を取り良い学校に入り、 良い会社に就いて母に金を渡す。
母に尽くす。 というのが少年の人生の第一だった。 それが崩れ始めたのはある夜の事だ。 ]
母さん、おかえりー。 ご飯食べる?
[ 家は狭いアパートであった為 振り返れば玄関先がすぐに見えた。
その日は母親の隣に男が居た。 仕事の都合上堅気でない男との付き合いは 多々ある様であったが、そういった男を 家にまで連れ込むのははじめてであった。 ]
(144) 2019/02/19(Tue) 22時半頃
|
|
──僕、コンビニ行ってくるね
[ とはいえ、男を連れ込むこと自体は 初めてではなかった。
いつものように、大した金の入っていない財布を 勉強道具の詰め込まれた鞄に投げ入れた。 アパートの管理人が所持している物置は この時代に不用心にも鍵がされておらず、 ごみなど勝手に投げ入れられ荒れてはいたが ある程度の寒さは防げたため便利だった。 ]
(145) 2019/02/19(Tue) 22時半頃
|
|
[ その日から男は家に居座るようになった。 浸食されていったという表現の方が 事実に近いかもしれない。
「事務所」が近いから便利なのだ と、溜り場として利用する内の誰かが言っていた。
しかし少年は、母はいつか男に棄てられる などといういつも通りの未来ばかりを見ていた。 男もその知り合いたちもいつかは居なくなる。
そうしてまた、自分たちの生活に戻る。 良い学校に行き母を喜ばせ、もっといい家を与え 薄汚い男たちのことなど忘れ去るような 幸せな生活が待っているんだろう──と。 ]
(146) 2019/02/19(Tue) 22時半頃
|
|
[ 男が現れてから、二か月ほど経った夜の事だ。 その頃には少年は市の図書館に遅くまで残り、 家の電気が点いていれば帰らずに 物置で学業に励むことが増えていた。
男たちとの接触は最小限に控えていたが、 その夜は解きたい問題集を家に置き忘れ 仕方なしに家に帰らなければならなかった。
アパートの薄い扉を開く。 この時間帯では、久しぶりの事だ。
煙草や酒、整髪剤の混ざったような 特有の匂いが鼻に衝く。 早く出てしまおう、と少年は足早になった。 ]
(147) 2019/02/19(Tue) 22時半頃
|
|
[ 部屋には男しかいなかった。 上半身を横切る馬鹿らしい刺青を 見せびらかすような姿を少年は内心嘲笑した。
問題集は部屋の隅にあった。 男はテレビを眺めていた為に、 少年はそそくさとそれを手に取った。
特に殴られた事なんて無いのだが、 警戒するに越したことは無い。 とはいえそれも杞憂だったようで 拍子抜けだなと、男に背を向けた時だった。
「あ、そうだ」 忘れ物をした時の様に テレビの雑音に紛らせながら男は言った。 ]
(148) 2019/02/19(Tue) 22時半頃
|
|
[ 「お前に保険、掛けさせたから。 あと一年、頑張って生きろよー」
喋らないと思っていた人物が喋ったので 少年は驚いて振り返ったが、 男は相変わらずテレビを見ていた。
お前に、保険、掛けさせたから、 後一年、頑張って生きろ。 一言一言少年は脳で繰り返した。 唾を飲み込む音が、やけに大きく聞こえた。
物置に戻って、携帯電話を取り出しては 検索エンジンを使用して意味を推測する。 金が掛かるからとあまり使わずにいた携帯は 少年のゆっくりとした不慣れな操作であっても 答えに導き出してくれた。 ]
(149) 2019/02/19(Tue) 22時半頃
|
|
[ そんなことをしなくても、 言っている意味は分かっていた。 しかし少年はまだ幼いのだから 何か別の、良い意味であるかもしれない などと無駄な足掻きをしただけだ。
後日、少年は誰も居ない際に 母親のタンスを漁った。 保険書や年金手帳などの入っている引き出しが 何処であるかなど知っていた。
自らに掛けられた多額の生命保険の書類。 其処には、母親のサインが記されていた。 ]
(150) 2019/02/19(Tue) 22時半頃
|
|
[ 「亘は将来お医者さんになって ママに楽をさせてくれるんだもんね」
愛おしそうに抱き締められた体温を 少年は淡々と思い出しながら、震えた。
分かっていた。 分かっていた。 母親が愚かな人間であることを 少年は本当は知っていた。
やがて少年の勝ち得るだろう金よりも 目前にちらつかせられた金の方を選ぶ。 そういった可能性を孕んだ人間である ということを少年は分かっていた。 ]
(151) 2019/02/19(Tue) 22時半頃
|
|
[ しかし、最後には幸福に正しい世界へ住むという 少年が思いふけ溺れていた妄想を 結局は母親も望んでいると信じていた。
彼女の善性を信じたのではない。 「危険な夜の街に一時は身を置きながらも 優秀な息子によって幸せを掴む」などという ドラマじみた人生を望んでいるのだと思っていた。
だがそれは違った。
綺麗だが、得られるか不確実な金よりも 汚いが法律違反でもなく、確実な金を選んだ。 現実的でもあるとまで少年は考え、 変な笑い声が唇の隙間から零れた。 ]
(152) 2019/02/19(Tue) 22時半頃
|
|
[ 少年は母親が好きだった。 いや、“母親といる自分”が好きだった。
「夜の街で健気にも働く母親の為 優秀な医者となる自分」が好きだった。
実の所、母親のことなど 好きでないのかもしれない。
そう気づいた時、少年は 自由になれたような感覚がした。 ]*
(153) 2019/02/19(Tue) 22時半頃
|
|
─ 院内廊下 ─
[ 害のない笑顔を浮かべられたため>>202 少年もまた笑顔を返した。
先程までのものたちとも違う、 まるで何年も引籠っては浮かべたことの無い といった、ぎこちないものだった。 ]
あ、ぼくは、わ、ワタルです 参加者、です
[ 賢明に言葉を紡ぐようにしながら、 わざとどもるのはやりすぎたなと ひそかに少年が考えていた時だ。 ]
(213) 2019/02/20(Wed) 00時半頃
|
|
──!?
[ 耳を劈く叫びが少年の頭蓋骨と廊下に響く。 意識して模索していた性格も 何もかも吹き飛ぶような声だった。
呆気に取られ開けかけた口を閉じる前に 強く手を握られ、走り出される。>>204 ]
うぇ、あ、ちょ、ええ!?
(214) 2019/02/20(Wed) 00時半頃
|
|
[ 突然の展開に、少年は瞳に涙を張った。 ]
あえ、ま、まっすぐ!行って、あえっと そっそこは右です! それで──
[ ……少年たちが多目的室に着いたとき、 少女は兎も角、少なくとも少年は はあはあと肩を上下させ激しく息をしていた。
体力というのは、変わらないのだ。 ]
(215) 2019/02/20(Wed) 00時半頃
|
|
はあっ、はっ、あっ、──…… ちなみに、ちこくじゃ、ないです、まだ
[ ぎりぎりですけど。
走り出す前に言えなかったことを 少年はそう、付け加えた。 ]*
(216) 2019/02/20(Wed) 00時半頃
|
1
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報
プロローグ
1日目
2日目
3日目
4日目
エピローグ
終了
/ 最新
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
トップページに戻る